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第36回日本トレーニング科学会大会を開催するにあたって

会長挨拶

​会長挨拶:須永美歌子(日本体育大学)

 この度、第36回日本トレーニング科学会大会が静岡産業大学磐田キャンパスを会場に開催されますことを大変喜ばしく思います。この場を借りて、学会準備にご尽力いただきました江間諒一会頭をはじめ、関係者の皆様に深く感謝の意を表します。

 日本トレーニング科学会は、1989年1月の第1回研究会大会を皮切りに、毎年、研究会やカンファレンスを開催し、トレーニングに関する研究・実践を推進することで、社会に貢献してまいりました。当学会は、健康・体力づくりの運動からエリート競技スポーツに至るあらゆるスポーツ現場においてトレーニングに関する研究や実践を行う専門家が集まる場であり、その知見を共有し、より高度なトレーニングの理論と実践を追求することを目的としています。

 今回の学会大会は、「市民からトップアスリートにまで届くトレーニング科学」というメインテーマを掲げています。そして、会場となる静岡産業大学は、2021年にスポーツ科学部を設置し、特に産学官連携など地域社会と密着した実学教育に力を入れています。健康やスポーツに関連した多くの産学官連携プロジェクトを展開するとともに、アスリートを対象としたサポートやヘルスケア、スポーツ医・科学の研究・実践にも積極的に取り組んでいます。こうした静岡産業大学の特色を生かし、今回の学会大会がトレーニングに関する議論がより一層深まることを期待しています。会員の皆様方におかれましては、熱心な発表・議論を通じて、本学会に大きく貢献していただきたく、心よりお願い申し上げます。今回の学会大会が、トレーニング分野における新たな発見や進歩をもたらすことを期待しております。

 末筆となりましたが、学会大会の開催にあたりまして、多大なご支援・ご賛助を賜りました多くの関係者、団体、企業の皆様に心より御礼申し上げます。

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学長挨拶

​主管校長挨拶:堀川知廣(静岡産業大学学長)

 第36回日本トレーニング科学会大会が、静岡産業大学を会場に開催され、「市民からトップアスリートにまで届くトレーニング科学」をテーマに、最新の研究成果等が発表され、それぞれの専門的視点で議論がされ、交流が行われますことを、大変うれしく思います。

 静岡産業大学は、磐田市と藤枝市にキャンパスがあり、産官学連携や地域社会と密着した実学教育を特徴とし、約2000人の学生が学ぶ大学です。大会の会場となる磐田キャンパスには、2021年4月に「スポーツ科学部」を設置しました。「スポーツ科学部」は、体育学だけでなく、教育学、社会学、医学、心理学、統計学などすべてがスポーツ科学の領域と考え、これからの社会において中核的な役割を担う指導者となる人材を育成する学部です。

 磐田キャンパスは、3棟の大型屋内体育施設(センター)、天然芝などの3面のグランドを有し、スポーツ科学の教育研究のための最新機器(超音波診断装置、レーザー式速度計、三次元動作解析システム、等速性筋力計、位置情報測位システム)も設置しています。磐田キャンパスでは、運動部の活動も大変盛んで、サッカー、野球、体操などでは、全国レベルの大会で優秀な成績を挙げ、プロ選手を輩出するクラブでは、競技力の向上に努めるだけでなく、地域社会への貢献にも力を入れています。

 スタートして3年目の静岡産業大学「スポーツ科学部」は、若い教員が中心となって研究・教育を行っています。本大会での、スポーツの現場でのトレーニングの内容や効果に関する科学的な知見は、本学の「スポーツ科学部」にとっても貴重な情報となるとともに、「日本トレーニング科学会」の発展にも多大な寄与をするものと期待します。

 2019年12月から始まった新型コロナウイルスの流行は、瞬く間に世界中に拡大し、社会を大きく変えました。コロナ禍で運動しにくい状況が続いたため、スポーツをする意欲が高くなったという調査結果もあります。日本トレーニング科学会への期待はますます高くなります。大会が成功裏に終わり、会員の皆様の益々のご活躍をご祈念申し上げて、あいさつとします。

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大会顧問挨拶

​顧問挨拶:小林寛道(静岡産業大学スポーツ科学部スポーツ医科学研究センター長)

 この度、静岡産業大学磐田キャンパスにおいて、第36回日本トレーニング科学会大会が開催されますことを心からうれしく、歓迎申し上げます。

 静岡産業大学は、経営学部とスポーツ科学部の2学部という規模の大学です。経営学部の一学科であったスポーツ経営学科が、スポーツ科学部に発展したという経緯があり、静岡県内ではスポーツ科学を専門学部にもつ唯一の大学という特徴を持っています。

 スポーツ科学部が2021年に発足して、本年で3年目になります。スポーツを愛するビジネス人を養成するというコンセプトから出発し、今日では、より広くスポーツとスポーツ科学を軸にした教育・研究を推進し、地域社会との連携を深めながら、人間形成を目指す理想に向かって努力を続けているところです。

 磐田市は、サッカーの町でもありますが、「市民からトップアスリートにまで届くトレーニング科学」というテーマは、とてもふさわしいと感じます。久しぶりの対面式の学会だと思いますが、参加者の皆さんに楽しんでいただける会になるように期待いたします。

 日本トレーニング科学会の前身は、トレーニング科学研究会であり、その前身が東大駒場キャンパスで福永哲夫先生を中心に行われていた「トレーニングカンファレンス」であると紹介されています。私事になりますが、1986年から東大駒場の教員スタッフになった私は、このトレーニングカンファレンスに出たことがあり、ビールを飲みながら自由な雰囲気でスポーツの科学に関連した話題で花が咲いていたことを思い出します。

 日本学術会議の登録団体なり、しっかりした学会組織になりましたが、その頃の「トレーニング科学を現場に生かす」といった精神は、今も脈々と受け継がれているように思われます。会頭の江間諒一先生を中心に開催される、日本トレーニング科学会の第36回大会が有意義な会となるように祈念いたしますとともに、大会開催にご尽力いただいた皆様に、深く感謝申し上げます。

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​顧問挨拶:小澤治夫(静岡産業大学スポーツ科学部スポーツ教育研究センター長)

 第36回日本トレーニング科学会大会の開催を心よりお喜び申し上げます。

 本学会がトレーニング科学研究会としてスタートした当初より参加してきた者として、勤務先である静岡産業大学にて開催されることに感慨深いものがあります。また、静岡県初のスポーツ系学部を開設すべく小林寛道本学特別教授、髙橋和子本学スポーツ科学部長とともに構想してきたスポーツ科学部が2021年4月に発足して来、初の学会開催が実現することも私たちの喜びであります。

 本学ではスポーツを「する」「みる」「ささえる」「しる」を柱として教育・研究を進めていますが、一方、「身体」「動き」を「はかる」「つくる」ことを軸として科学的に進めています。バイオメカニクス、運動生理学を中心とした機器をある程度揃えてはおりますが、生まれたばかりの子どもと同じで、施設・設備は十分とは言えません。学会員各位からご教授を賜れば幸いです。

 私自身の関心もまた当初のトレーニング科学会の方向性もスポーツパフォーマンスの向上が念頭にあったと思いますが、時を経て現在の日本は有史以来の超高齢社会となっており、トレーニング科学の対象は幅が広がっていると言えます。スポーツ、各種運動、そしてトレーニングは子どもから大人、愛好家からアスリート、健常者から障害者までまた性別に関係なく、すべての人々の人生や日々の生活を豊かにするものと言えます。本学会もそのような立場から、多くの研究的知見やそれに基づく方法などを発信することが求められていると思います。

 中等教育現場で教員として働いていた30数年前に行った研究に「成長期のウインゲートテストにおけるパワー発揮」や「各種トレーニングマシンを用いた一斉指導の方法」など教育現場で活用できることを意識したものでしたが、オーバー70のサッカーチームに在籍していた近年は「高齢アスリートのためのトレーニング」を研究してみたいと思っていました。その後転落事故で車いす生活を余儀なくされた現在はパラスポーツを愛好する人やアスリートのためのトレーニングに関心が変わってきました。こうしたことについても学会で会員諸氏と情報交換や議論ができることを楽しみにしております。

 学会が盛会裏に終わり、多くの情報交換と論議が進むことを祈念して挨拶と致します。

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​顧問挨拶:髙橋和子(静岡産業大学スポーツ科学部長)

 第36回日本トレーニング科学会大会が、静岡産業大学スポーツ科学部がある磐田キャンパスで開催されますことは、喜びに堪えません。磐田市は人口17万人であり、サッカーのジュビロ磐田とSSUボニータ、ラグビーの静岡ブルーレヴズのトップスポーツ3団体がある稀有な市です。それもあり、磐田市は「スポーツのまち」として思い浮かぶ市町村ランキング1位(ブランド総合研究所調2021年)に輝きました。2021年に就任した草地博昭磐田市長は、かつて磐田市体育協会事務局長時代にジュビロマラソンを実践し、スポーツの応援団長です。また、WHOの提言を受け厚生労働省が2012年に初めて都道府県の健康寿命を発表した折、静岡県の女性は全国第一位、男性は第二位となり「健康長寿県」になりました。

 静岡産業大学には、「いわた総合スポーツクラブ」があり、幼児から高校生までを対象にしたプレスポーツスクールやスポーツスクールを柱とし、楽しむスポーツからトップアスリートの育成までを目指して活動をしてきました。また、総合研究所が毎週開催している「健康教室」には40~80代までの老若男女が、元気に汗を流しています。さらに、静岡県初のスポーツ科学部開設により、様々な研究調査やスポーツ活動の依頼を受けるようになり、スポーツの拠点校に位置づいたと自負しております。その一例が「食とスポーツで磐田市民も地元経済も元気に!」という目標を掲げ、食事メニューの開発と運動情報の提供を軸とした産学官民連携の健幸プロジェクト「ジュビロ飯」です。学生たちはメニュー開発や健康増進のための運動方法の考案に取り組みました。このような最適な時期に、「市民からトップアスリートにまで届くトレーニング科学」をテーマに掲げた本大会の誘致は、非常にありがたいことです。

 おりしも、大会顧問の小林寛道先生(元日本体育学会会長)や小澤治夫先生(元日本体育学会理事)は日本トレーニング科学会会員です。貴学会の役員選出の規約では、「理事は,会員による選挙で,選出時 50 歳以下の正会員の中から選出する」とあります。このような素晴らしい発想ができる学会大会の開催により、会員の皆様はもとより、磐田市はじめ国内外でも「スポーツを科学」する機運が高まることと期待しております。

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会頭挨拶

​会頭挨拶:江間諒一(静岡産業大学スポーツ科学部)

 この度、第36回日本トレーニング科学会大会を、静岡産業大学(磐田キャンパス)を主管校として2023年10月28日(土)・29日(日)の会期で開催させていただくことになりました。学会長をはじめ学会員および関係者、団体、企業の皆様のご理解とご支援のもと開催できますことに、大会頭として心から感謝申し上げます。

 本大会のテーマは「市民からトップアスリートにまで届くトレーニング科学」といたしました。開催地である静岡県磐田市は、2021年に民間調査でスポーツのまちNo.1になるなど、スポーツが盛んな都市として全国的な知名度を獲得しつつあります。サッカーJリーグのジュビロ磐田、ラグビーリーグワンの静岡ブルーレヴズなど、複数のプロチームが本拠地を構える、全国的にも珍しい都市です。それらプロスポーツクラブ、トップアスリートを後押しするのは、市民のスポーツ熱や地元チーム愛です。磐田駅で皆さまをお出迎えするのは、各チームのキャラクターやエンブレムたちです。市内のお店に立ち寄っていただくと、選手のサインやフラッグ、ポスター等を目にされることでしょう。磐田市は市民の健康づくりや運動習慣獲得に向けた取り組みにも熱心で、本学も連携を深めています。トップアスリートのみならず市民にまでトレーニング科学の知見が当然のように活用され、その意義を誰もが理解し、生活に実装されている社会を実現する、そのために本大会が役割を果たすことを願ってやみません。

 私自身、恩師の川上泰雄先生(早稲田大学)会頭のもと開催された第24回大会から年次大会への参加を続けています。筆頭発表者として参加した大会では、研究発表に対して、参加者の皆さまから貴重なご意見を多数頂戴し、学術論文にまとめるうえで大きな助けとなりました。学会誌「トレーニング科学」への掲載経験もございます。そのため、日本トレーニング科学会に育てていただいた、という強い思いがあります。年次大会で目にした研究発表が、その後学術論文として出版される機会も増え、本学会が果たす役割の大きさを感じています。第24回大会から一回りを経た今大会を会頭として開催できることは、私にとって望外の喜びです。本大会へのご参加が、皆さまにとっての大きな刺激となり、スポーツ現場での活動や研究活動の大きな発展につながることを祈念しております。

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